映画『センコロール』たった30分に詰まった魅力とは!! 型破りの名作を徹底考察!

 

 2009年8月22日に公開された『センコロール』は平成21年度文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/短編に選ばれました。しかし、その評価は賛否が分かれています。いったいどういうことなのか。

 本作の魅力を2つに分けて考察します!!

 あ、怪獣が出てきたらすぐに逃げてくださいね? それではレッツゴー!

※ネタバレを含みます。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

 

作品情報

 

平凡な町に突如巨大なモンスターが出現し、自衛隊が出動する騒ぎが起こる。
町中が騒然とする中、ユキは同じ学校に通うテツがそのモンスターと良く似た奇妙な生物・センコをペットのように
飼っていたことを思い出す。

ユキはテツとセンコの関係に興味を持つが、そこへ巨大モンスターを操る謎の少年が現れ、いきなり戦いが勃発してしまう。
映像クリエイターの宇木敦哉が、たった一人で全ての作画を担当したアニメーション。

2009年製作/30分/G/日本
配給:アニプレックス

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ネットでの声

 

 

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◯独特なキャラクターたち

 

 

 本作の登場人物はいってシンプル。気怠げな主人公のテツ、好奇心旺盛なヒロインのユキ、そしてクールな敵のシュウ。

アクション映画の最低人数で構成されています。

 本作の特徴として、観客にストレスがないという点です。

その理由はキャラクターにあります。

 各キャラクターごとに性格の差はありますが、全体的に落ち着いた印象を受けます。

セントーシーンでも泣いたり取り乱したりはしません。

落ち着いたやり取りが戦闘シーンではコメディのように聞こえて、日常シーンでは柔らかな雰囲気を作り出します。

 

声優さんの「リアルな演技」だからこそなしえた技と思えます。

 

 そして忘れてはいけないのが怪獣の「センコ」。

本作は人の作画より怪獣の作画に力を入れています。

仏頂面なのに感情が読める、言葉を発しないのに意思が伝わる。そのように感じた人も多いと思います。

 特に物に変身する、戦闘シーンの描写は細部まで作り込まれています。

 

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◯監督の好きが詰まっている

 

 

 宇木敦哉監督が脚本、作画、監督をしました。補足しますと、宇木敦哉監督はデジモンアドベンチャーtriのキャラデザインを担当しています。

 個人制作の本作は監督の個人的好みが詰まっています。

身近に潜む怪獣、咄嗟の非日常、異様な青春。怪獣の作画に力が入っているのはおそらくこれらが原因だと思います。

 惜しいと思ったのが、シーンが急に飛びすぎて展開が読みにくい点です。

 

世界観が独特すぎるので、理解するまで2、3回観返しました。この点が批評されていると思います。

 

 もちろん、序盤で敵の腕を切ったシーンを入れ、後半で敵に腕を切られる復讐の描写はドキドキしました。

さらにキャラがことあることにいう「コントロール」とクライマックスの「センコ」の状態でタイトル回収をするのが鮮やかだなと思いました。

 また舞台が北海道であり監督も北海道出身なため、背景にチラホラと見覚えのものが映ります。

皆さん探してみても面白いかもしれません♪

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まとめ

 

 いかがでしたか? 油絵のような背景や独特な怪獣に魅了される本作。

2019年にはさらにパワーアップした次回作が公開されています。もし興味がございましたらそちらもご覧ください。

 おっと、怪獣が現れましたね。触らぬ神になんとやらです。

 

それでは次の考察でお会いしましょう。チャオ♪

 

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